2010年5月25日火曜日

アクセシビリティ対策ベストプラクティス(その1)

最近、私の周りではWebサイトのアクセシビリティ対策案件が増えてきました。ですが、話を聞いてみますと、

「アクセシビリティ対策といっても何をやればいいのか?」
「ALTにテキスト入れればいいんじゃない?」
「文字を大きく出来る機能を入れとくか?」
「勉強はしてるが重要性を感じない」
「アクセシビリティを考えるとデザインが格好悪くなるからやりたくない」

といった印象を持たれて止まっている企業が多いようです。

でも上からは「やれ」と言われている・・・。

そんな腰の重い方でも順番通りに進めていけば、それなりに理解できてなんとかなる方法はないか?と考えて、私のお勧めしている対応方法について簡単にまとめてみました。詳細まで掘り下げるかどうかは反響によって考えたいと思いますので、なんなりとご意見いただければと思います。


■まず、アクセシビリティー・ガイドラインの選定

何を基準とするか?という事です。JIS対応とかWCAGとか聞いた事のある方はそれの事です。

使用するガイドラインは対象とする国、業種、体制を基に選択する必要があります。世界で最も使用されているガイドラインは W3C の Web Content Accessibility Guidelines(通称:WCAG)ですが、日本のみで展開している企業では JIS X 8341-3(通称:WebアクセシビリティJIS) の方が多く使われているようです。また、米国では法律でWebコンテンツアクセシビリティを制定されている州もあるようですので、海外に法人があり、Webサイトを持っている企業はそれらの法律も確認する必要があります。

「何が何やら?」と思ってる方は、日本ユーザーのみをターゲットとしているのであれば JIS で、英語コンテンツ等があり、海外ユーザーもターゲットとしている場合は WCAG を選択すれば、まず問題ありません。

まずここまでは1分で決めてしまいましょう。大丈夫です。後戻りは簡単です。

■なにはともあれ現状確認、自社サイトの品質評価

現状確認は目視では困難です。可能な限りツールを使って品質を評価します。ここで全体像を明らかにし、数値化することが重要となります。

アクセシビリティを確認するツールは無料のものから数百万円するものまで様々です。初めての方は総務省のツールや富士通から出ている WebInspector という無料ツールで大丈夫ですが、慣れてくるとこれらでは物足りなくなり、有償ベースの製品が必須となってきます。

総務省から提供されている無料ツール「ウェブヘルパー」
http://www2.nict.go.jp/v/v413/103/accessibility/helper/

富士通から提供されている無料ツール「WebInspector」
http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/webinspector/

まずは今のサイトをチェックして問題点を洗い出しましょう!!

どんな問題点が出てくるのやら・・・。

つづく。

(次回予告)
・出てきた問題点から改善プランを作ってみましょう!