2010年6月9日水曜日

アクセシビリティ・ベストプラクティス(その3)

今までの内容についてはこちらを参照してください。
アクセシビリティ・ベストプラクティス(その1)
アクセシビリティ・ベストプラクティス(その2)

今回は第3回目、実行に移ります。

■改良の実施

実際にコンテンツの問題を修正します。この際に進め方が大きく2種類あります。

・ランディングページ、トラフィックの多いページ、障がい者向けのページ、多くのユーザーが恩恵を受けるページ、こういったページから優先度を上げて対応する方法
・同種の問題を1つ選定して、それに関して問題のあるページを全て修正するという方法

まだ慣れない頃は後者の方法をお勧めいたします。問題数が大きく減りますし、良いスタートダッシュが切れると長続きするためです。人間の心理というのはおもしろいもので、最初にあまり成果が出ないと三日坊主になりがちですが、成果が出てあっというまに半分ぐらいを消化してしまうと、今度は残りの半分を消化しないと気がおさまらなくなります(笑)。この衝動を上手く利用して、習慣化させることが出来ると、後は自ら勉強して良いサイトへ改善はスムーズに進んでいきます。


■設計者/開発者/運営者/経営者の教育

設計者/開発者には最初に教育をする必要があります。この時にガイドラインを明確にし、詳細な修正方法を周知させる事で後でかかる改良費用を最小限に抑えることができます。

また、「本当に必要なの?」「予算は他にかけた方がいいんじゃないの?」といった意見も社内から出てくることがあると思います。そういった人たちにも啓蒙活動が必要です。

企業サイトのアクセシビリティランキングのようなものも良く発表されてます。こういったメディアも上手く活用し、啓蒙します。経営者には社会的責任の面から説明するのがベストです。この時に、問題点を数値化し、それらが減少しているのが目に見えると話がスムーズに進みやすいです。その為にもまずは問題数を減らす事を先にやっておくと、背中を押してくれることもしばしばです。

■社内教育をスムーズに進めるコツ

「なぜそれが必要かを具体例を挙げて説明する」

・読み上げツールを実際に聞かせてみる(「(水)」の場合と「水曜日」の場合など)
・「色弱の人はこう見える」をビフォー&アフターで見せる
・入力フォームをマウスだけで操作させてみる
・フラッシュページをキーボードだけで操作させてみる

こういった事を身体で実感すると必要性を感じてもらえます。
この時にビフォー&アフターを用意して「先月まではこうでした、今はこうなってます」という説明をするとより効果的です。


つづく。

次回はより具体的な改善方法を書きたいと思います。