前回についてはこちらを参照してください。
アクセシビリティ・ベストプラクティス(その1)
前回のチェックで、どれくらいの問題が出てきましたか?
今回はそれらをどのようにして対応していくかを説明したいと思います。
■アクセシビリティー・プランの作成
出てきた問題の全てに対応する事は困難です。また、業種やサイトの内容によって対応が必須のものとそうでないものが分かれてきます。対応する人数や、そのWebサイトを閲覧するユーザー属性で優先度を決めて、手順、確認方法、期間、ゴールを決めていきます。
■プランの前提条件
そこで、まず間違えないでいただきたい事があります。それは、
ガイドラインの通りに作るのが重要なのではなく、その先に誰がいるかを考える事が重要
ということです。
誰がこのサイトを見に来てくれているのか?いろんな制限下で見ているユーザーにとって、使いやすいサイトになっているか?を考える必要があります。これはガイドラインの通りに作ればいいという訳ではありません。例えば(やや失礼な表現が入る事をご了承ください)、映画館で3D映画をPRするページを作ったとします。ガイドラインの通りに作るとすると画像部分にそれの説明となるようなALT属性を記述することになります。しかし、その説明が必要な人は、目の見えない方や、何らかの理由でテキストブラウザ等を利用して画像が見れない人たちです。そういった方は本当にその説明が必要でしょうか?目の見えない方向けの「立体」とか「飛び出す」以外の本当に必要な情報というものを記載するべきです。
こちらも参考にしてください。
アクセシビリティ:文字サイズの変更
やや極端な話になってしまいましたが、要はどんな人に対してどんな行動をとるかはそれぞれに違ってきます。それらの内容毎に必要な項目をガイドラインからピックアップする事をお勧めします。
■決める事
アクセシビリティに対応するにあたり、まず決めないといけない事にこんなものがあります。
・対応する項目(必須項目と必須ではない項目)※必須でない項目は数値化が難しいので最初は入れない事をおすすめします
・対応する人(修正する人、確認する人)
・対応する期間
・チェックスケジュール(週1回/隔週/月1回程度)
・数値化方法(ビフォー/アフターでの差分を取る)
・ゴール指標
・(可能であれば)改善が進んだ時のご褒美
※コツとしては数値化が後々重要となってきますので、チェックツールでの自動判断ができないものに関しては運用基準が明確にならないので最初は優先度を下げて、チェックツールで数値化できるもののみに絞って始めることをお勧めいたします。
これらが決まれば、後はやるだけです。
つづく。
(次回予告)
・改良の実施と、ハードルを低くして成果を大きくするコツ