民の見えざる手 - デフレ不況時代の新・国富論 -
(著)大前研一
[目次]
プロローグ 経済学は、もう未来を語れない
第1章 (現状認識)“縮み志向”ニッポンと「心理経済学」
第2章 (目前にある鉱脈)拡大する「単身世帯」需要を狙え
第3章 (外なる鉱脈)「新興国&途上国」市場に打って出る
第4章 (規制撤廃が生む鉱脈)真の埋蔵金=潜在需要はここにある
第5章 (20年後のグランドデザイン)「人材力」と「地方分権」で国が変わる
エピローグ (発想の転換)そして個人は「グッドライフ」を求めよ
[感想]
いつも思うのが、著者の書き方は誰でも分かり易く、かなり厳しい事を言っているので、極端な事を言っていると嫌っている人もいれば、なるほどと納得して気に入る人の両極端になってしまっているのではということ。私は後者ではありますが、著者の作品は同じような話も多いため、選んで読めば良いように思います。
内容としては日本が、および日本の企業が、そして日本人個人が、海外から相当遅れており、ガラパゴス化しているという事の説明とその対策が分かり易く書かれています。個人的には韓国の教育が急激に進化した事とは逆に日本では「ゆとり」だの何だので逆に退化してしまっている事に対する事実確認とその対応(やや極端に感じる部分もあるのですが)がかなり具体的に分かり易く書かれており、同意する部分が多々あります。勉強もせずに遊んでばかりの大学生を就職させる為に国は多大な費用をかけ、就職率というのを常に気にしているというのは私も違和感を感じる部分で、これらは企業にも国にも言えるように思います。「なんとかなるだろう」という気持ちで気軽に考えている個人、企業、国は早くこれらに気付いて、対応を取るべきだと思います。(という本人も国や企業に対して何かアクションを起こしているかというと疑問ですが)
[情報]
『民の見えざる手 - デフレ不況時代の新・国富論 -』
発行所:株式会社小学館
発行日:2010年7月19日
著者:大前 研一
定価:1,545円(税込)