北尾吉孝さんの「今日の論語」まとめ(31)~(60)
SBIホールディングス株式会社代表取締役CEOである、北尾吉孝さん( @yoshitaka_kitao )が毎日 twitter でつぶやかれてた「今日の論語」が一巡されたようなので、ここでちょっとまとめてみました。
(注:togetter ではありません。また、私が読みやすいように一部編集されてます。twitter でポストされたそのままではありませんのでご了承ください)
2010年3月21日(第31回)~ 4月30日(第60回)まで
今日の論語(31)「之(これ)を知る者は、之を好む者に如(し)かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」
何事も知ってるだけでなく、好むようにさらにはそれを楽しむようになるのが最高ですね。
今日の論語(32)「汝は画(かぎ)れり」
おまえは、やってみもしないで、自分に見切りをつけている。それではだめだ、という意味です。
人間は意外と自分の能力を含め自分自身について知らないものです。だからやる前から出来ないと思ったりして、自分で自分を制限しがちです。これが画(かぎ)るということです。
今日の論語(33)「文質(ぶんしつ)彬彬(ひんぴん)として、然(しか)る後に君子なり」
修養で身につけた外面的な美しさと内面の質朴さが、程よく調和バランスがとれていてこそ君子といえるのだ。
今日の論語(34)「博(ひろ)く文を学び、之を約(やく)するに礼をもってせば、亦(また)以ってそむかざるべきか」
広く学んで教養を深め、礼によってその知識をまとめて自分を律し行動していけば、道を踏み外すことはない。
今日の論語(35)「中庸の徳たるや、其(そ)れ至(いた)れるかな」
どちらにも片寄らない中庸は道徳の規範として最高のものである。
今日の論語(36)「事に臨(のぞ)んで懼(おそ)る」
大事に直面しては無謀な行動に走らず、身を慎むべきだ。
今日の論語(37)「不義にして富みかつ貴(たっと)きは、我において浮雲の如し」
不正をして金持ちになったり、偉くなったところで、そんなものは自分にとっては浮雲のように取るに足らないものだ。
今日の論語(38)「三人行(さんにんゆ)くときは、必ずわが師あり」
三人連れ立って行動をともにすれば、必ず手本となる先生がいるものだ。学ぶべきは積極的に学び、他人の欠点は自分の戒めとすればよい。
今日の論語(39)「難(かた)いかな恒(つね)あること」
いつも変わらぬ心持(恒心)を維持することは難しい。往々にして人は昨日と今日でその言動がちがったり、見栄を張り偽りの生活を続けがちだ。
今日の論語(40)「仁遠(とお)からんや。我仁を欲すれば、斯(ここ)に仁至る」
仁徳は遠いとろにあるものだろうか?仁を求めようと決心を固めれば、仁はその人のものとなる。道徳の実践に理屈や困難はない。
今日の論語(41)「君子は党(とう)せず」
立派な人物は、かたよって不公平な仲間びいきはしない。
今日の論語(42)「君子は坦(たい)らかに蕩蕩(とうとう)たり。小人は長(とこし)えに威威(せきせき)たり」
君子は心がゆったりしていて温和であるが、小人はたえずくよくよし、いつも心を痛めている、という意味です。
今日の論語(43)「子は温(おん)にしてはげし、威(い)あって猛(たけ)からず、恭(うやうや)しくて安(やす)し」
孔子は穏やかな中にも厳しさがあり、威厳があっても荒あらしいところはなく、恭しく慎み深い。
今日の論語(44)「顔色を正して、ここに信に近づく」
心は顔に表れるから、顔色を正してこそ、誠実の人に近づく事ができる。
今日の論語(45)「君子、親(しん)に篤(あつ)ければ、すなわち民(たみ)仁に興(おこ)る」
上に立つものが親族に手厚ければ、その徳風に感化されて、その下にある人々も自然と仁徳を重んじるようになる。
今日の論語(46)「故旧(こきゅう)遺(わす)れざれば、即(すなわ)ち民(たみ)うすからず」
上に立つものが古い知己や友人を手厚くもてなして忘れないなら、その下にいる人々もそれに感化され、人情も厚くなる。
今日の論語(47)「能を以って不能に問う」
才能があるにも拘らず、才能のない人にもたずねつくす。自分を深め広めるには、それぐらいの心がけが必要だ。
今日の論語(48)「士は以って弘毅(こうき)ならざるべからず」
士たる者は度量があって、意思が強く、毅然としていなくてはならない。
今日の論語(49)「危邦(きほう)には入らず、乱邦(らんぽう)には居(お)らず」
危険な国には入らず、乱れた国には住まない。
今日の論語(50)「邦(くに)、道なきに、富み且(か)つ貴(とうと)きは、恥(はじ)なり」
無道の国にあって、自分が金持ちで地位が高いのは人間としてむしろ恥ずべきことである。
今日の論語(51)「学は及(およ)ばざるが如(ごと)くす」
学習の心構えとしては、はるかに先を行く人を見失わないように追いかけるような気持ちですべきである。
今日の論語(52)「子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし」
孔子は次の四つを絶つ。これらは根拠のないかんぐり、思い込んで無理を通す、頑固に意地を張る、自分本位に正しいと思うといった事。
今日の論語(53)「酒のみだれを為さず」
酒をを飲んでも乱行をするということはない。
今日の論語(54)「後生(こうせい)おそるべし。いずくんぞ来社(らいしゃ)の今にしかざるをしらんや」
若者は、おそるべきものだ。努力次第では将来どんな大きな仕事をするかわからない。何で後に来るものが今に及ばないと言えようか。
今日の論語(55)「歳(とし)寒くして、然(しか)る後に松柏(しょうはく)の凋む(しぼ)むに後(おく)るるを知る」
冬の厳しい寒さになって、初めて松や柏が枯れなく強く緑をたもっているかがわかる。人間もまた大事に遭遇してはじめて、その真価がわかる。
今日の論語(56)「四十(しじゅう)五十にして聞こゆるなきは、これ亦(また)畏(おそ)るるに足らざるのみ」
四十歳や五十歳になってもその名が周りや世間に聞こえないようならば、これはもう畏れるに足らない。それまでに人格を磨き、技能を高めるべく努力することが大切だ。
今日の論語(57)「知者は惑(まど)わず、仁者は憂(うれ)えず、勇者は懼(おそ)れず」
物事の道理をわきまえた聡明な人は惑うことはない、仁徳のある人は憂いも心配もなく、勇敢な人はおそれることはない。
今日の論語(58)「与(とも)に立つべし。未(いま)だ与(とも)に権(はか)るべからず」
ともに行動をおこす事が出来る人であっても、かならずしも事物を正しく判断し、臨機応変の処置が取れるとは限らない。
今日の論語(59)「未(いま)だ之(こ)れを思わざるなり。夫(そ)れ何の遠きことか之あらん」
本当に気にかけているのなら、どうして遠いことがあろうか?本当に思っているのならどこであろうと問題でないはずだ。
今日の論語(60)「才あるも才あらざるも、亦(また)各々(おのおの)其(そ)の子を言う」
親というものは自分の子に才能があろうがなかろうがかわいいと思い、自分の子本意に考える。それが人情だ。
つづく
※「今日の論語」まとめ
2010年2月8日(第1回)~ 3月19日(第30回)まで
2010年3月21日(第31回)~ 4月30日(第60回)まで
2010年5月6日(第61回)~ 6月16日(第90回)まで
2010年6月17日(第91回)~ 7月29日(第120回)まで
2010年7月30日(第121回)~ 8月20日(第136回)まで