2010年8月20日金曜日

過去のイグ・ノーベル賞作品

今週は夏休み週間ということで、いつもの仕事モードのブログからちょっと脱線して、今年の夏に読んだ本の中から、おバカすぎて笑った「イグ・ノーベル賞受賞作品」を紹介します。

「イグ・ノーベル賞」とは?

人々を笑わせて、そして考えさせられる研究に対して贈られる賞です。ノーベル賞の反対語として紹介される事もありますが、いたって真面目で、真面目すぎるから余計におバカに見えてしまうという愛らしい研究ばかりです。

皆さんは「バウリンガル」をご存知ですか?犬の鳴き声のパターンから気分を判断して日本語に翻訳してくれる機械です。スタートはおもちゃだったのですが、研究が進むにつれ、より本格的に解析し、より真面目に取り組んでいることで最近ではかなり的中率は高いそうです。これも「イグ・ノーベル賞」受賞作品です。

「バター・トースト」を床に落とした場合、バター面が下になる可能性は50%ではなく62%

私の最も好きな論文がこれです(笑)。バターを塗ったパンを床に落とした時、マーフィーの法則よろしく、大抵の場合、バターの面が下になり、被害が大きくなってしまいます。これを本気で研究した人がいました。「被害が大きいから記憶に残り、バター面が下になった事ばかりを憶えているだけで、実は錯覚」なのか?それとも「実際にバター面が下になる確率が高い」のか?何万回と投げて結果を測定した人がいます。結果は上記の通り、50%にはならずに、62%。確かにバター面が下になる確率が高いという結果になりました。物理的にも、猫を落としても空中で身体を捻らせ上手く着地するように、バター面が重く、下を向きやすいということらしいです。ただしその重量差は微妙なので6:4程度の確率になってしまうそうです。私はこれを何万回と落として調べた研究者に敬愛の念を送ります。

紅茶に対しての理想的なビスケットの浸し方

これも研究した人がいます。結果は、

(紅茶の表面張力xビスケットに空いた穴の直径の平均x時間)÷(紅茶の粘性率x4)
 = 紅茶にビスケットを浸す際の理想的な幅の2乗

だそうです。この研究者は紅茶を飲む時は常に至福の時でしょうね。うらやましい限りです。

他にも

キーボードの入力状況から猫がその上を歩いたものと検知すると威嚇して誤入力を自動防御するシステム

地獄へ落ちる人の算出方法

おならの臭いを除去するパンツ

英国規格協会(BSI)が定めた「正式な紅茶の入れ方(BSI6008)」全6ページ

間違ったアポストロフィの使い方を指摘する「アポストロフィ保護協会」

などが受賞しています。どれも自然と顔が綻ぶような読んでいて楽しいものばかりでした。

こういう研究に没頭している時というのは心底幸せな時のように思います。私も歴史に残るようなおバカな研究をいつかはしてみたいと本気で思っています。

そんな感じの夏休みでした。

来週からはまた普通モードに戻らせていただきます。(戻れるかな?)

それでは。