ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
(著)W・チャン・キム+レネ・モボルニュ、(訳)有賀裕子
[目次]
第I部 ブルー・オーシャン戦略とは
第1章 ブルー・オーシャンを生み出す
第2章 分析のためのツールとフレームワーク
第II部 ブルー・オーシャン戦略を策定する
第3章 市場の境界を引き直す
第4章 細かい数字は忘れ、森を見る
第5章 新たな需要を掘り起こす
第6章 正しい順序で戦略を考える
第III部 ブルー・オーシャン戦略を実行する
第7章 組織面のハードルを乗り越える
第8章 実行を見すえて戦略を立てる
第9章 結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新
巻末資料A ブルー・オーシャン創造の歴史的形態
巻末資料B バリュー・イノベーション:戦略の再構築
巻末資料C バリュー・イノベーションの市場ダイナミクス
[感想]
この本の第2章で紹介されているフレームワーク、「戦略キャンバス」「四つのアクション」「アクション・マトリクス」の3つはビジネスモデルを作る上でとても有効です。特に「戦略キャンバス」は使わないとレッド・オーシャンのど真ん中で価格競争に追いやられ、みすみす負ける戦いを強いられる可能性もあります。この本ではこの「戦略キャンバス」をいろんな事業や事例に対して分かり易く取り上げ、それぞれ成功した戦略のメリハリ具合を説明してあります。
私はこの本を読むまでは「オーシャン」の部分は市場を魚に例え易いのでつけただけだと思っていましたが、この「オーシャン」の方にこそ深い意味があるように感じました。この本の中に直接は書かれてませんが、大洋にはいろいろな魚が住んでいて、それらはそれぞれ住んでいる場所も違えばエサも違い、生活スタイルも違えば季節で移動する事もある。海流に乗る事もあれば温度や異常気象で流れが変わる事もある。ブルー・オーシャンだと思っていた場所があっというまにレッド・オーシャンになる事もあれば、逆にレッド・オーシャンが移動していって元の場所はブルー・オーシャンに戻る事もあり、それらは時間とともにサイクルしていく。これらはまさしく「市場」であり、漁場を読む「目」というものが「マーケティング」であり、日本人はこれらの才能に長けていると感じています。もっとこの戦略を有効活用し、効率の良い(利益率の高い)漁をしたいと感じる一冊でした。
[情報]
『ブルー・オーシャン戦略 -競争のない世界を創造する』
出版社:株式会社ランダムハウス講談社
発行日:2005/6/22
著者:W・チャン・キム+レネ・モボルニュ
訳者:有賀裕子
定価:1,995円(税込)